このたび、自己投資をやめまして・・・ | 06:12 |
4月の年度替わりを機に家の中を思い切って整理した。シンプルに逝くための老前整理と言いたいところだけれど、それにはちょいと気が早すぎる。そうそう、少し前に流行った「断捨離」というところだろうか。
押し入れ一つを片づけるにも一苦労。またたくまにごみ袋がいっぱいになる。今となっては、どうしてこれが欲しかったのかさえわからない「モノ」たち。役に立たなかった子どもの学習教材の多さには笑えたけれど、子どもだけではなく、愚かなほど自己投資をしてきたことに自分でもあきれた。私はどんだけ自分に期待してたんだろう。
大人になってから始めた英語教材や、急に勉強したくなって買った分厚い専門書、途中で挫折した通信教育の教材、なぜかドイツ語やイタリア語辞典まである。何よりもったいないのは、ほんの1回か2回しか着ないまま肥やしとなるしかなかった慶事用のパーティフォーマルかな。おめでたいこととか華やかな席なんて、ほとんど縁がないしね。
大したことも成し遂げられずに「いい大人」になってしまった自分。こうしてみると、私が生きてきたこと自体がムダだったような罪悪感にさいなまされる。私という人間が一人いなかっただけでも、これだけのゴミが減らせたはずなのに。
私がムダにしたのはそれだけではない。なんでも、ヒトが一生に食べる食べ物の量は約50トンだそうだ。重さだけでいえば、プールの水を一生かけて飲み干す感じかな。そんだけ食べても結果はご覧のとおり、残念な人間が一人できあがっただけだった(まだ途中だけどね)。犠牲になってくれた豚さんや鶏さんやお魚さん、ほんと、ごめんね。もっと私がマシな人物になっていたなら、あなたたちの犠牲も報われただろうにね。
これからは、持っている本を読み返し、着古した服を繰り返し着て、自然が奏でる音楽を楽しむことにしよう。そして、少しのご飯を大切にいただくことにしようっと。いくら自己投資しても、このままじゃどう考えても元本割れしそうだもんね。